一生、学生。

社会人学生の充実した日々を綴ります。学びで人生を豊かに。

「不実な美女か 貞淑な醜女か」

通訳スクールの先生におすすめされたので、読んでみた。

 

米原万里著「不実な美女か 貞淑な醜女か」

 

 

【読書メモ】

・どんな分野でも役に立つ万能な動詞を覚える

品詞別覚えやすさ

具体的な名詞>形容詞>抽象名詞>具体的な動詞>抽象的な動詞

通訳学校の初見教材で詰まる際は動詞が出てこないことが多い。期末テストは散々だったな・・・(´;ω;`)

 

 

・正しく発音することで、致命傷を防ぐ

発音のちょっとした違いで、逆の意味の単語になったり、卑猥な単語になったり、致命傷を負うリスクがある。

 

・通訳メモ≠速記

記憶の補助。

この話はいろいろな場所で聞く。自分だけのシンボルを作り出すとよい。自分さえ、通訳し終わる時まで分かるメモでよい。迷わずに使えるシンボルを増やす。

 

・積極的語彙と消極的語彙

語彙数は必然と消極的語彙>積極的語彙。

これらの差が開くと、英日、日英の訳出の品質に大きな差が出てしまう。

英→日は消極的語彙、日→英は積極的語彙の力が大きく影響するように感じる。

 

・翻訳は、通訳者のスキルを自己点検できる便利な方法

通訳は時間的制限が厳しいあまりに、それを理由に甘えにつながってしまうリスクがある。訳が雑になっても許してしまうなど。時間に余裕がある環境を作って、辞書や専門書を参考に、より的確な語彙や、より洗練された表現を考える機会を設けることはとても重要である。

 

・「貞淑」・・・原文に忠実、正確に伝えている

「不実」・・・原文を誤訳、原文から逸脱

「美女」・・・訳出や響きの良さ、整い具合◎

「醜女」・・・ぎこちない訳

つまり、

貞淑な美女」「不実な美女」「貞淑な醜女」「不実な醜女」の4通り。

 

スピーカーや業界、テーマなどの相性が異なれば、通訳者のパフォーマンスもその都度変わってくる。

また、現場によって、「不実な美女」か「貞淑な醜女」のどちらがマシか分かれる。

パーティは雰囲気が大事だが、商談はぎこちなくても内容が最優先!

 

シャドーイングの良しあし

◎正確な発音やイントネーション、自然な文型や表現が身につく

△文の幹を見つけ出す技能が身に付きにくくなるという懸念がある

→間違った発音やイントネーションの教材は絶対使わないようにする!

 

母語をいかにして磨くか

通訳に向いているかを判断する際、日本語能力を見る

(サイマルの講演に著者が参加した)。落語を聴く。アナウンサー養成講座を受ける。

 

・外国語を学ぶ=母国語を豊かにする、その逆もしかり

 

・通訳者としての喜び

自分がいなければ、その場の言語による意思疎通が成り立たなくなるので、存在意義を感じることができる。

異なる背景を持つ者同士が通訳を介して通じ合えた時の感動や爽快感

 

・通訳の勉強はOJTで身につける。現場に出ることが大事

私のレベルではまだ厳しいが、現場に出れそうな案件があれば、積極的に自分を売り込みたいと思う。